デジタルアンプを作りたくなったから作り方を教えてもらいに来たお!さっそく作り方を教えるお!
やらない夫:
なんだ急に。回路図ならネットとかに転がってるし、それ真似して作ればいいだろ。
やる夫:
それじゃあダメなんだお!自分で設計したアンプでこころがぴょんぴょんしたいんだお!
やらない夫:
何なんだそのこだわりは・・・じゃあ自分で一から設計するって事だな。ところでなんでデジタルアンプなんだ?
やる夫:
やる夫も少しサイエンスの知識があるお。デジタルアンプはデジタルだから1か0、パソコンのCPUみたいなのを組み合わせればちょちょいのちょいで作れそうだお。
やらない夫:
なるほど、回路の事は全然知らないんだな。
やる夫:
え、なんだお?違うのかお?
やらない夫:
デジタルアンプ、一般にD級アンプと言われているやつはぶっちゃけアナログ回路と言ってもいい。だからアナログ回路の基礎を学ばないと設計はできない。
やる夫:
デジタルって名前なのにアナログなのかお?意味わからないお!
やらない夫:
まぁ、その辺は実際にやってみればわかる。やめるか?
やる夫:
いや、チノちゃんのためにデジタルアンプを作ってこころぴょんぴょんするって誓ったんだお。絶対に成し遂げるお!
やらない夫:
そうか、じゃあまずは基礎のお勉強からだ。
1.オームの法則
やらない夫:
最初はオームの法則だ。
やる夫:
舐めるなお。オームの法則くらい楽勝だお。もっと実用的な事をやらせるお!
やらない夫:
まぁまぁ、そう早まるな。竜学校で習う内容だが、どんな難しい回路でもこれを使うんだ。しっかり確認しておこう。オームの法則はこういう話だったな。
やる夫:
V=RIの式は分かるお。でもなんか抵抗の記号が違うお。こんなギザギザの記号じゃなかったお。
やらない夫:
あぁそれか。何年か前にJISの回路記号が変わったんだ。だから学校の教育でも新しいJIS回路記号を教えるようになった。抵抗は箱みたいな記号だったよな。でも大学の電気科に入ると新JIS記号で書いてる人なんて殆どいない。
やる夫:
何なんだお、そんなのバカらしいお。なんのために 中学校で回路記号習ったんだお。
やらない夫:
まぁ、新しい記号が浸透しないのは理由があるんだろう。新しい記号は分かりにくいし書きにくいし、なによりダサい・・・
やる夫:
まぁいいお。ここは慣例に従うお。
やらない夫:
話が逸れたな。aとbの二つの端子間に抵抗がつながっていて、その両端の電位差がV。
やる夫:
この矢印はどういう意味だお?
やらない夫:
これは(aの電位)-(bの電位)=Vって事。矢印の先の方が電位が高いって事だと思っておけばいい。電圧の説明をするときはこういう書き方をすることにする。
やる夫:
わかったお。あと、電流は電位の高いほうから低い方に向かって流れるんだお。aの方が電位が高いと考えて電流はa→bの向きで流れるんだお。
やらない夫:
そういう事だ。オームの法則についてはこの二つの考え方を抑えておこう。
①抵抗に電圧をかけると電流が流れる
②抵抗に電流を流すと電位差が生まれる
①抵抗に電圧をかけると電流が流れる
②抵抗に電流を流すと電位差が生まれる
やる夫:
①は分かるお。中学で千恵公に電池繋いだ回路図を習ったお。ただ②はなんかパッとしないお。
やらない夫:
そうだろうな。でも②の方が実はよく使う考え方だったりする。ちょっと覚えておいてくれ。
2.抵抗分圧
やらない夫:
次は抵抗分圧だ。この回路図をみてくれ。
やる夫:
抵抗が二つ直列に繋がってるお。"Vdd"とか"GND"ってのは何だお?
やらない夫:
Vddというのは電源電圧だ。単位VdとかVccとか書かれたりもする。ちなみに、"dd"とか"cc"には意味があるが、それはググってくれ。
GNDというのは簡単に言えば電位ゼロの点だ。「グランド」とか「接地」って言ったりする。
GNDというのは簡単に言えば電位ゼロの点だ。「グランド」とか「接地」って言ったりする。
やる夫:
なるほど、覚えたお。
やらない夫:
それじゃあ、Vxの電圧を求めてみるぞ。まずは電流の流れ方を考えるんだ。
やる夫:
考えるもなにも、VddからGNDまで一本道だお。
やらない夫:
そう、だからR1とR2には同じ電流Iが流れる。じゃあ、この電流Iはいくらだ?
やる夫:
えっと、まずは2つの抵抗の合成抵抗Rを考えるお。直列の合成抵抗だから単純に足し算だお。
やらない夫:
中学で習った合成抵抗よく覚えてたな。その合成抵抗RにVddという電圧がかかっている。あとはオームの法則だ。
やる夫:
単純な式だお。Iはこうやって求めればいいお。
やらない夫:
正解だ。Vddから流れる電流がわかってしまえば、あとはR2に対してオームの法則をやるだけだ。
やる夫:
これでVxが求まったお!つまり、今までの式をまとめるとこうなるお!
やらない夫:
そういう事だ。Vddを千恵公によって分割してVxを取り出している。これを抵抗分圧というんだ。
やる夫:
で、この抵抗分圧は実際どんなときに使われるんだお?
やらない夫:
これは1つの電源から任意の電圧を作り出すときに使われる。
やる夫:
確かに、抵抗の比を変えれば自在に電圧を作りだせるお!これは便利だお!
やらない夫:
抵抗分圧の考え方は回路のいろんなところで役に立つ。さっきの式をよく覚えておくんだぞ。
3.キルヒホッフの電流則
やらない夫:
次は抵抗分圧に1つ抵抗を付け加えた回路を見てみよう。同じようにVxを求めたい。
やる夫:
新たにR3っていう抵抗がついたお。今度はどうやって考えればいいんだお?
やらない夫:
やることはさっきと殆ど同じだ。まずは電流の流れ方を考えるぞ。
やる夫:
Vddから電流が流れてくるお。点aで二手に分かれてそれぞれの抵抗に流れる・・・でいいのかお?
やらない夫:
あってるぞ。こういうのは電圧の高いVddが上流、GNDが下流として川を流れる水をイメージするといい。
それじゃあ、R1、R2、R3に流れる電流をそれぞれI1、I2、I3とするとこれらの関係はどうなる?
それじゃあ、R1、R2、R3に流れる電流をそれぞれI1、I2、I3とするとこれらの関係はどうなる?
やる夫:
うーん、わかりそうでわかんないお。
やらない夫:
さっき言ったように電流を川を流れる水だと考えてみろ。例えば上流のVddからR1に3リットルの水が流れたとする。それが点aで二手に分かれてR2には1リットルの水が流れていた。R3に流れる水はどのくらいだ?
やる夫:
それなら分かるお。R3に流れる水の量は(3リットル) - (1リットル) = (2リットル) だお。
やらない夫:
それを、それぞれ I1、I2、I3に置き換えるとどうだ?
やる夫:
I1 - I2 = I3 ってなるお。書き換えるとこの式になるお!
やらない夫:
そうだ。つまりこの式が言いたい事は、「点aに流れ込む電流は、点aから流れてる電流の総和に等しい」ということだ。この法則を「Kirchhoff's current law:キルヒホッフの電流則」という。
やる夫:
Kirchhoff's current law・・・なんか専門的な事を覚えた気分になるお!でも大した話じゃなかったお。
やらない夫:
ちなみに、頭をとって"KCL"って言ったりもする。まぁ名前はどうでもいいんだ。
話を戻そう。電流式が立ったら、今度はそれぞれの電流を求めていくぞ。
話を戻そう。電流式が立ったら、今度はそれぞれの電流を求めていくぞ。
やる夫:
とりあえず、オームの法則の式をそれぞれの千恵公について立ててみるお。立てた式をこんな感じに変形すれば電流が求まるお。
やらない夫:
正しい一手だ。それじゃあ、その電流値をKCLで求めた電流式に代入してみよう。
やる夫:
これでVxが求まったお!でもちょっと面倒だったお。
やらない夫:
まぁ確かにそう感じたかもしれない。実は、R2とR3の並列合成抵抗を考えて、あとは普通の抵抗分圧の計算ってやったほうがシンプルだったかもしれない。でも、ここではKCLとその使い方を覚えて欲しかったからそれに従った解き方をした。ぶっちゃけVxの値自体はどうでもいい。とにかくKCLについて理解してくれればOKだ。
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